専門実践教育訓練給付金とリスキリング支援事業、同じ講座ならどちらが得か — 50万円・80万円・110万円で計算
公開日: 2026-09-20。制度の数値は国・自治体の公表資料に基づく目安です。最終確認はハローワーク(自治体の制度は各事務局)で行ってください。
この記事でわかること
- 専門実践教育訓練給付金とリスキリング支援事業は同じ講座で両方使えない
- 受講料55万円・88万円・110万円で実質負担がいくら違うか
- 転職の予定と雇用保険の期間で、どちらを選ぶべきかの順番
在職中で転職を目指す人がスクールの長期コースを受ける場合、専門実践教育訓練給付金(厚労省)とリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経産省)の両方が候補になります。同じ講座で両方は使えません(経産省FAQ「国が支出する趣旨を同じくする他の制度との併用はできません」)。どちらを選ぶかは、受講料と「転職するかどうか」で決まります。
2つの制度の計算式
| 専門実践教育訓練給付金 | リスキリング支援事業 | |
|---|---|---|
| 確実にもらえる分 | 経費の50%(年間上限40万円) | 税別受講料の1/2(上限40万円) |
| 追加 | 資格取得+修了後1年以内に就職(在職者は資格取得)で +20%(年16万まで)、さらに賃金5%上昇で +10%(年8万まで) | 転職して1年継続就業で +1/5(上限16万円) |
| 上限合計 | 80%・年64万円 | 70%・56万円 |
| お金の流れ | 受講料は全額払い、6か月ごとにハローワークから振込 | 事業者が割引した価格で受講(補助は事業者へ) |
| 前提 | 雇用保険の支給要件期間3年(初回2年)、訓練前キャリコン、2週間前の受給資格確認 | 在職者、雇用主が変わる転職を目指す、事業者のキャリア相談を受ける |
| 期限 | 受講開始が指定期間内 | 受講は2027-03-31まで、転職は2027-04-30まで |
専門実践の「経費」は税込の支払額、リスキリング支援は税別が基準です。この差も効いてきます。
受講料3パターンで計算
税込受講料(入学金込み)で、専門実践は基本給付のみ/追加給付すべて、リスキリング支援は修了のみ/転職+1年継続の4通りを出します。1年以内の講座とします。
受講料550,000円(税別500,000円)
| 専門実践 | リスキリング支援 | |
|---|---|---|
| 確実分 | 275,000円 → 実質 275,000円 | 250,000円 → 実質 300,000円 |
| 最大 | +110,000 +55,000 = 440,000円 → 実質 110,000円 | +100,000 = 350,000円 → 実質 200,000円 |
受講料880,000円(税別800,000円)
| 専門実践 | リスキリング支援 | |
|---|---|---|
| 確実分 | 400,000円(上限) → 実質 480,000円 | 400,000円(上限) → 実質 480,000円 |
| 最大 | +160,000 +80,000 = 640,000円 → 実質 240,000円 | +160,000 = 560,000円 → 実質 320,000円 |
受講料1,100,000円(税別1,000,000円)
| 専門実践 | リスキリング支援 | |
|---|---|---|
| 確実分 | 400,000円 → 実質 700,000円 | 400,000円 → 実質 700,000円 |
| 最大 | 640,000円 → 実質 460,000円 | 560,000円 → 実質 540,000円 |
結果の読み方
- 金額だけなら専門実践が同等以上。基本50%は税込ベースで、上限も年40万で同じ。追加給付まで含めると80%対70%で専門実践が上回る
- 80万円を超えると確実分は同じ(どちらも上限40万円)。差が出るのは追加給付だけ
- ただし専門実践の追加は「資格取得」が条件。指定講座の目標資格を取らないと +20%は出ない。リスキリング支援の追加は転職と1年継続だけで資格は不要
- 転職するつもりがない人はリスキリング支援を使えない(在職者で転職を目指すことが要件)。専門実践は転職しなくても基本の50%は出る
- 雇用保険の加入が2年未満の人は専門実践を使えない。リスキリング支援は雇用保険を問わない(在職・雇用契約があればよい)
- 受講時の持ち出しは、リスキリング支援のほうが小さい(割引価格で払う)。専門実践は全額を払ってから6か月ごとに戻る
判断の順番
- 雇用保険の支給要件期間が足りるか(初回2年、2回目以降3年)→ 足りなければリスキリング支援
- 転職する予定がないか → ないなら専門実践
- 両方使えるなら、指定講座の目標資格を取れる見込みがあるかで決める。取れるなら専門実践、資格より転職を優先するならリスキリング支援
- どちらも2027年3月までの期限(支援給付金の暫定措置、リスキリング支援の支援期間)に注意
講座ごとの実質負担は判定ツールで、両方の制度を並べて計算できます。数値の根拠は専門実践教育訓練給付金・リスキリング支援事業のページに載せています(2026-09-20確認)。